29.2 ソフト排気用HVアングルバルブ

大容量の流れを伴う繊細な生産プロセスに

ソフト排気用バルブの主な要求は、バルブ開放時に乱流が発生しないことです。乱流が発生すると、ロードロック（LL）チャンバーのポンプダウン時に、粒子の旋回によって、悪影響を及ぼす可能性があるからです。さらに、バルブ開放時の高差圧による急激な圧力変化は、急激な凝縮効果を引き起こし、プロセスパラメータにも悪影響を及ぼす可能性があります。

ソフト排気用HVアングルバルブSERIES 29.2であればこれを回避できます。

SERIES 29.2のソフト排気制御機能は特に、可能な限り広いコンダクタンススペクトルで正確にキャリブレーションしなければならない大容量の流れに適しています。この高コンダクタンススペクトルは、2つの高真空アングルバルブを組み合わせ、メインバルブとバイパスバルブが1つのコンパクトなアセンブリで相互作用することによって実現しています。

ソフト排気制御の効果は、バルブの側面にある調整ホイールで微調整できます。これにより、非常に広いコンダクタンススペクトルにおいて、目的のプロセスパラメータに対する最適なキャリブレーションが可能になります。

ホイールには11個のポジションマークが付いているので、簡単かつ正確に調整とリセットを行えます。その結果、設定の再現性が高まるうえ、同じ設定で動作させたい他のバルブに設定をコピーすることもできます。

このように設計されたSERIES 29.2は、精密さとコンパクトな構造という点で、その高性能が際立っています。他の構造では、複数のバルブと追加の配管を使わなければ実現できないことを、SERIES 29.2は単一のソリューションで実現しているのです。

結露が起こりやすい、温度変化が起こるプロセスの場合は、SERIES 29.2にPTCヒータを内蔵できます。

特に太陽電池やディスプレイの製造のように、変化する圧力条件下で大容量のロードロックチャンバーを用いる、要求の厳しい用途において、SERIES 29.2シリーズは優れた「ソフト」な動作を証明してきました。

二重のソフト排気制御機能によるプラスの副次的効果として、インパルス雑音の低減や排除も期待できます。その結果、より静かな生産/動作環境を実現しています。